《目次》
〇腰痛の原因になる3つの姿勢
長時間のデスクワークで、腰が痛い・肩がこる・目が疲れる、、、デスクワークによる疲労は思った以上にくるものです。デスクワークの中でも一番多いのが腰痛ですが、実はこの腰痛は年齢に関係なく病院での治療が必要な腰痛は2割以下で残りの約8割は原因不明と言われています。この原因不明の腰痛は普段からの生活習慣やセルフケアでも十分に改善ができます。このデスクワークからくる腰痛を改善するために奈良県奈良市の整体師が解説します。
腰痛の約8割は病院でも原因が分からない
厚生労働省の調査によれば、日本国内では約2800万人もの人が腰痛持ちとされています。また腰痛といえば、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・すべり症などこれらの病名を連想しがちですが、実はこれらの原因がはっきりしている腰痛よりも原因がはっきりしていない腰痛の方が多いということはご存知でしょうか?
腰痛の中では原因がはっきり特定できる『特異的腰痛』(20%)、残りの約80%は腰痛の原因が特定できない『非特異的腰痛』に分類されます。現代の医学では病院や整形外科ではレントゲンやMRIなどの画像診断で骨に異常があればその骨がずれていたり、圧迫されることで痛みが出ているという見解があったり、整骨院などの治療院などでは体全体の歪みや筋肉により痛みが出ているなどこの原因不明の腰痛に対しては病院・整形外科・整骨院でさまざま違う意見があることが現実です。
腰痛のメカニズム
現代人の約8割が一度は経験したことのある腰痛ですが、一体この腰痛はどのようなメカニズムで起こるのか。腰痛の発生原因は大きく分けて3つあります。
①急激な強い負荷や動き
②長時間の同じ姿勢
③同じ動作の繰り返し
これらの腰痛が発生してしまう時そもそも何が痛いのでしょうか?筋肉なのか?あるいは骨なのか。答えは筋肉による痛みが大半を占めています。ぎっくり腰のような急性腰痛も痛みが出たり遠ざかったりするような慢性腰痛も実は両方とも筋肉による痛み。
ではどうして筋肉が痛むのでしょうか?筋肉は寝てる時以外は座っている時も立っている時も常に負荷はかかり続けます。しかし姿勢が悪かったり、長時間の同じ姿勢が続いたり無理な動作が続いたりなどすることによりその負荷に耐えられなくなった時に筋肉自体が炎症を起こしたり、けいれんしてしまうことで痛みの発作を起こしてしまいます。カラダのどこかが痛いと感じるのは神経を伝わって脳で最終的にはその信号を受け取り、痛みとして腰痛と認識します。
腰痛の原因になる3つの姿勢
1.中腰や前かがみの姿勢
腰痛になる原因のひとつに中腰や前かがみの姿勢があります。非特異的腰痛【原因不明】の腰痛の多くは運動不足(筋力低下)などにより腰を支える筋力が弱くなったり、背骨の変形などで姿勢が悪くなったりなどの原因で起こることが多いです。
前かがみになると腰痛が起きたりひどくなってしまったりしてしまう腰痛を『前屈障害型腰痛』と言いますが、この腰痛は特に前かがみになる悪い姿勢が続いたり急に重いものを持ち上げるなどの動作によって発症します。前屈障害型腰痛で腰を痛めてしまう大きな理由は背骨のカーブ【S字状のカーブ】が崩れることにより、腰椎・腰周辺の椎間板・筋肉などの大きな負担がかかります。背骨のバランスが崩れてしまうことが『猫背』を引き起こし、腰だけでなく全身の血流が悪くなることで首や肩の筋肉が硬くなることで、腰痛が余計に慢性化してしまいます。
2.腰をひねる動作
腰痛の原因になる2つ目の原因は腰をひねる動作です。人間には多くの関節があり、股関節・肩関節などの大きな関節もあれば足や指の骨などの細かい関節もあります。背骨に関しては細かく分けると頸椎・胸椎・腰椎・仙骨【骨盤】になります。背骨も各部位ごとに形状も異なりそれぞれ動く範囲・方向が決まっていますがこの動く方向・範囲が決まってしまっているにも関わらず無理な動きや無理な姿勢でい続けることで負担がかかり関節周囲の組織が傷つくことになってしまいます。
腰に関してですが、腰の本来の動きとは①前屈【前かがみ】②後屈【後ろに反る】③側屈【体を横に倒す】④回旋【体をひねる】の4つの動きになりますが、この中で腰骨が最も得意とするのは前にかがむ動きですが、一番苦手なのが体をひねる動きになります。
腰の骨は立っている状態から前にかがむときには約50度動きますが、カラダを回す動作(ひねる)では約5度しか動きません。普段ゴルフなどのスポーツや荷物の持ち上げたり、朝の起き上がりで腰をひねるなどの動きは全て腰と股関節が協同して動いているといえます。ですので腰自体はひねることには非常に弱い関節といえます。
3.長時間の座り姿勢
長時間の座り姿勢は腰だけでなくカラダ全体に悪影響を及ぼします。まずは腰への負担の影響ですが、座っている姿勢は立っている姿勢よりも背中(椎間板など)への圧力がかかります。また筋肉自体にも負担がかかってしまいますが、腰の筋肉の中でも特に負担がかかるのが『大腰筋』。
大腰筋とは腰の腰椎から股関節をつなげている筋肉で腰と股関節が滑らかに動くように働いてくれています。ですが長時間の座位の姿勢が続くことでこの大腰筋が短縮して固まってしまいます。この筋肉が硬くなることで股関節の動きが悪くなり、立ち上がりの時には腰が痛くて伸びない!こんな経験一度はありますよね?この筋肉は慢性的な腰痛を抱えている人のほとんどが使いすぎている筋肉です。
腰だけでなくハムストリングスが硬いと腰痛になりやすい
慢性的な腰痛に悩まされる人の共通点は『大腰筋』が硬くなることで痛みが出やすいと説明しましたが、この筋肉と同じぐらい長時間座り続けることで硬くなってしまうのが太もも裏にある『ハムストリングス』という筋肉。
『ハムストリングス』とは、半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋の総称で骨盤の下の部分の坐骨結節という部分から筋肉は始まり、膝裏まで終わりはつながります。このハムストリングスが十分柔らかい状態であれば骨盤の動きはスムーズで腰の動きは問題なく行われますが、このハムストリングスが硬いと骨盤の動きが悪くなり、特に前屈動作がしづらく股関節自体の動きも悪くなってしまいます。逆に言えば、このハムストリングスの柔軟性を高めてあげることで腰痛予防につながります。
腰痛予防していく座り方と過ごし方
長時間の座り姿勢で腰が痛くなってしまうという方はまずは普段の生活から見直していきましょう。腰に負担をかけにくい座り方のポイントは3つありますが①骨盤を立てて座る②足の正しい置き方③背もたれを使わないこれがポイントになります。
まず①骨盤を立てるといってもなかなかピンとこないかもしれませんが、簡単に説明すると骨盤が立つことで丸まったり反っていた背中が伸びて前に出ていってしまう頭や首が正常な位置に戻りやすくなります。正しく座ることで腰痛や肩こりはもちろん、内臓の働きも良くなることで自律神経の乱れなども改善されます。姿勢が悪くなると呼吸も浅くなることで精神的にも不安定になりやすいですが姿勢が改善されることで呼吸もしやすくなり良く眠れるようになります。
座るポイントで大事なのは『座骨で座る』ということ。
座骨の場所はイスに座った時にお尻に手を入れると少し尖った部分が手に当たる二点の骨のこと。この座骨がとても大事で座骨部分で座らなければ骨盤は立ちませんし、骨盤が立たなければ良い姿勢はキープできません。イメージでいえば座骨の尖った部分の少し前に体重がかかることをイメージします。
次は②正しい足の置き方についてですが、足裏が床にちゃんとついているかいないかで座り姿勢での『安定感』が全く違ってきます。足裏がちゃんとついていないと膝が上がり太ももが圧迫されやすく上半身の安定感が失われすぐ疲れやすくなってしまいます。正しい方法では足裏はしっかりと床につけ膝は少し上げるように意識して太もも裏部分の圧迫を出来るだけ防ぎます。足裏がしっかりついていることで安定感が生まれ体全体の疲れが出にくくなります。
最後は③背もたれを使わないこと。骨盤を立てることが腰痛予防には重要ですがそのためにはイスに深く座ることが大事。浅い座り方になると長時間座ることによって背もたれを使うことになりますがイスと背もたれの間隔が広すぎると腰は丸くなりやすくなります。そのためイスには深く座って背もたれに寄りかからない状態を保ってください。
股関節をゆるめるヤンキー座りストレッチ法
腰痛の予防をしていくために座り方はバッチリになったところで次はストレッチについて。長時間の座り仕事は骨盤や股関節の動きがどうしても悪くなってしまいます。腰痛を改善していくには骨盤周りの筋肉を柔らかくしてあげることが大事。骨盤周りの筋肉が柔らかくなると骨盤の前後・横の動きが出ることで腰への負担が軽減されます。
そこでおすすめなのが『ヤンキー座りストレッチ法』。特に忙しくて時間がない人や、運動を始めても長続きしない人にはおススメのストレッチ。やり方は簡単。足を肩幅ぐらいに広げて立った状態からひざと股関節を曲げながら腰を落としていく。カラダの硬い人は少しずつ曲げていくことと転ばないように壁などに手をかけながらお尻を落としていっても大丈夫です。その状態から出来るだけ背筋を伸ばしながら体を前に倒していきます。倒していくと背中から腰に続いている脊柱起立筋という筋肉が伸びることでさらにストレッチ効果がアップ。回数は30秒を1セットとして朝起床時・仕事の合間・就寝前に各1セットずつすることで腰痛は徐々に改善していきます。
骨盤の動きが良くなるハムストリングスストレッチ法
デスクワークでは骨盤だけでなく、太もも裏の筋肉(ハムストリング)も硬くなってしまいます。このハムストリングスの筋肉は普段あまり意識して使うことがないため気付かないことが多いですが、この筋肉を伸ばすことで姿勢の改善につながることで腰痛よぼうにもなります。
ハムストリングとは半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋という3つの筋肉の総称名。走ったり・ジャンプしたりなどで使う筋肉ですが、日常的に使うことはあまりないので硬くなりやすく、立った状態から前屈をする時に床に手が届かない場合、このハムストリングスの硬さが原因と考えられます。腰痛を予防していくためにも足の筋肉もしっかりゆるめてほぐしていきましょう!
仕事の合間に出来るハムストリングストレッチ
まずは立ちながらでも出来るストレッチ。短時間でも出来るのでぜひやってみてくださいね。
足は肩幅くらいまで開いて立ち、片足を1歩前へ出し、かかと部分で床に足をつきます。おへそが太ももにつくようなイメージで上半身を前に倒していきます。ハムストリングが伸びているのを感じたらその状態をキープ。呼吸は止めずに自然に。片足15秒~20秒ほどを目安に2セットほど繰り返し左右行いましょう。
家で出来る寝る前のストレッチ①
続いては寝る前にしていただきたいストレッチ。立ちながらのストレッチよりは角度がつくのでストレッチの強度は少し強め。膝立ちの状態から片足を前に出します。前に出した足のつま先を上げてかかとに重心を乗せます。床に手をつき後ろ足のかかとにお尻が当たるイメージで後方向へスライドしていきます。呼吸は止めずに自然に。片足15秒~20秒ほどを目安に2セットほど繰り返し左右行いましょう。
家で出来る片足前屈ストレッチ②
股関節が硬い人でも出来るストレッチをお伝えします。あぐらをかいた状態から片足を伸ばします。その状態から背筋を伸ばしながら足を伸ばしている方向へ上体を傾けていきます。ハムストリングが伸びているのを感じたらその状態をキープ。呼吸は止めずに自然に。片足15秒~20秒ほどを目安に2セットほど繰り返し左右行いましょう。
家で出来る開脚本気ストレッチ③
最後は開脚した状態からのストレッチ!!難易度はかなり上がりますが柔軟性を高めるためにはうってつけのストレッチです。足はゆっくり開脚していきましょう。上体は前に倒さない状態でも十分にストレッチ効果はありますのであまり無理はしないでくださいね。出来る人は足を開いた状態から背中を丸めずにそのまままっすぐ前に倒していきましょう。呼吸は止めずに自然に。15秒~20秒ほどを目安に2セットほど繰り返し左右行いましょう。
まとめ
座り仕事の腰痛を改善していくためには足や股関節周辺の筋肉をストレッチでゆるめて筋肉を良い状態に常にしてあげることと、腰に負担をかけないようにちゃんとした座り方で座ることがとても重要になってきます。ストレッチなどは徐々にで構いませんので痛みの出ないように気を付けて行ってみてください。
奈良県奈良市の整体院では、このような腰痛の方には腰だけの治療ではなく痛みの根本の原因を探りながら施術し、その人に合ったセルフケア法などもお伝えし早期に改善していただけるようサポートさせていただいています。