気温の変動が激しく何かと忙しいこの時期はぎっくり腰が多発してしまいます。
しかしこのぎっくり腰は、なってしまった時からの正しい処置と間違った処置をするとではあとの回復スピードが全く違います。今回は間違ったぎっくり腰の治し方と正しい治し方についてお伝えします。
ギックリ腰とは?
ぎっくり腰とはそもそも何なのか?
ぎっくり腰とは『急性腰痛』という名称があり筋肉による炎症のよるもの。原因はさまざまですがカラダの歪み・体幹を中心とした筋力低下・長時間の同じ姿勢で筋肉が硬くなる・内臓疲労などなど挙げればきりがありませんが、腰に必要以上に負荷やストレスがかかると発症しやすくなります。
ギックリ腰は個人差はありますが、痛くて日常がままならない期間はだいたい2~3日程度で終わりますがこの発症してからの処置がすごく大事でこの2~3日の間で回復過程が変わってきます。
どんな症状があればギックリ腰確定となるのか?
ギックリ腰とは「急な動作が引き金となって、筋肉などの一部が断裂した状態」をいいます。次のうちどれかが当てはまれば『ギックリ腰【急性腰痛症】』の確定です。
・いつどんな動作で痛みを引き起こしたのかが明確に説明できる
・痛みを感じるところに手を当てると熱っぽい感じがある
・最初は違和感程度だったがだんだん痛みがひどくなってきている
・咳やクシャミでも腰に痛みがくる
これに全く当てはまらない場合はギックリ腰ではない可能性が高いです。
ギックリ腰!!4つの間違った治し方
その①湿布で炎症をひかせようとすること
ギックリ腰になってすぐは腰の周りの筋肉に炎症が生じている状態です。そのため患部の周辺が熱をもっているため、まずはその炎症を鎮めることが先決。そんな時には冷たい『冷湿布』。
患部に貼ると炎症をひかせてくれそうな期待がありますが、実はこの冷湿布に急性の痛みを軽減させる効果はありますが、患部を冷やす効果は全くありません!!
また湿布自体は痛みを一時的に緩和させてくれる効果はありますが、湿布が腰痛の根本原因を治してくれることはありません。
その②患部をマッサージしてもらう
ギックリ腰は急性的な炎症で筋肉や周辺の軟部組織《靭帯・関節》が傷ついてしまっている状態。傷ついた筋肉や靭帯をマッサージしてしまうとさらに患部に炎症反応が起こり悪化してしまいます。早く回復したいがためにマッサージを受ける行為は逆効果になります。
その③患部を温める【お風呂・サウナ・カイロなど】
ギックリ腰になり一番やってしまいがちなのが患部を温めること。お風呂に入って温もったり、カイロを貼ったりなどするとその時は温かく気持ちいいし治った感覚になりますが、発症から48時間は炎症反応が出続ける時間帯。筋肉や靭帯が炎症を起こしてしまっているので温めるとさらに痛みは増し症状が悪化しやすくなります。
その④もちろんアルコールは✖。暴飲暴食も回復の妨げになる
ギックリ腰の際にアルコールの摂取は炎症を強くさせる恐れがあります。また暴飲暴食も回復の妨げになります。それは飲食によりカラダがギックリ腰で起こった修復作業よりも、飲食による消化吸収などを優先的にしてしまうから。これは風邪をひいてしまった時でも同じこと。過度な食事は控えめにして安静=寝ることで回復は早まります。
ギックリ腰を早期に改善♪正しい治し方
①シップの前にアイシング
『グキッ!』という鈍い音を立てて動けなくなった直後の段階の発症期。このときにやるべきことはシップを貼る前に患部の炎症をひかせるためにとりあえず冷やすことが先決。発症期に温めると悪化してしまうので要注意!
・とりあえず冷たすぎると感じるぐらい冷やす!
冷却法はアイスノンなどでも冷えますが、冷えが少し甘いために炎症がなかなかひきにくいです。氷のうやビニール袋に氷水を入れてうつ伏せになり直接患部に当ててください。【服の上からは✖】
とりあえずめっちゃ冷たい!!ですがこの方法が一番炎症がとれやすいです。冷やす時間は15分ほど。長時間冷やし過ぎると凍傷の恐れもありますので気を付けてくださいね。
②安静&コルセットで圧迫固定する
ギックリ腰だけに限らず、捻挫や肉離れや急性の炎症症状の応急処置には『RICE処置』という方法があります。スポーツなどのけがなどでも損傷を最小限におさえるための処置なのでぜひ知っておいてくださいね。
R:Rest【安静】
I:Icing【冷却】
C:Compression【圧迫】
E:Elevation【挙上】➡挙げる
発症期(2~3日)はカラダを動かす事は控えることが大事。痛みはカラダが『動かさないでくれ!』というサインなのでそのサインを無視せず安静を第一としてください。
そして安静・冷却に続いて大事なのが圧迫。炎症の時期にからだを動かすのと炎症はさらにひどくなるので発症期には必ずコルセットを巻いて圧迫固定してあげることが大切。
コルセットの役割でいうと、
①動きを制限させる
②関節の安定性をあげることで動き始めの痛みが軽減される
③腹圧をあげる(お腹に力が入りやすく起き上がりやすくなる)
注意点でいうと、コルセットはいわば応急処置の道具。痛みの強い時だけ使用してください。習慣的に使うことは自分自身の筋力を使わなくなるので、筋力低下につながり腰痛の慢性化にもつながってしまいます。
また痛める場所によってコルセットにも種類があります。
自分にはどのコルセットが最適なのかなどなかなかわからないと思いますので、お悩みの際はぜひご相談ください。
③痛み止め・注射などのその場しのぎの治療ではなく根本から治す
アイシングからのシップ・コルセットにより固定をして安静にする。これだけでも改善しますが自分で治すにはどうしても限界があります。また良くあるのは痛みを取りたいために病院に行きブロック注射を打ってもらったり、痛み止めの薬をもらったりすること。注射や薬は痛みを一時的に治った感覚にさせるだけで根本的な解決にはなりません。
当院では痛みの根本原因を見つけ早期に改善させ、また再発予防にも力をいれています。お悩みの方はぜひご相談ください。
ぎっくり腰でやってはいけないこととやってほしいことについてお伝えしていきましたが、いかがでしたか?ぎっくり腰を早く治していくためにはスピードが大事。正しい知識を得て今後の生活に役立ててみてください。